ロワール地方に泊まるのはこの日が最後。蚤の市三昧の予定を入れてしまっていた私達。
とても見晴らしの良いはずのダイニングで朝食・・・でもこの日もなんだか雲行きが・・・

やっぱり雨になってしまった・・・
Lavalという中世の面影が色濃く残る素敵な街、なのに。
驚いたのはけっこうな雨の中、出店している地元の人たちがいたこと。
いつものフランスの人たちとはちょっと違うイメージ。みんな楽しみにしてたんだなー。
(私達もその雨の中、けっこう買い物してましたけどね・・・)

途中で中世の街、Sainte-Suzanneへ。
小さなかわいらしい石造りの街並み。

曇っていてもこの景色。
こんなところに住んでこんな景色を毎日見ていたらパリみたいな街を美しいと思えるのかな。

しつこく最後の蚤の市会場へ。
ほとんど終了してましたが、なんだか素敵な場所でした。
おじいちゃんに声をかけられお話しを聞いてみると孫娘が日本大好きなんだとか。
はにかみながら出てきた女の子はカタコトながらも日本語であいさつ。
いつか日本であえるといいな。
そして最後に晴れてきた・・・でも蚤の市のやっている時間ではなくなったので、宿へ向かうことに。

森の奥深く、ぽつりと立つ古いお城、Château de Monhoudou。
ここは今回の旅行で唯一先祖代々受け継がれていたお城。
手つかずの森に広大な敷地。

素敵なマダムが迎えてくれてお部屋へ。
最上階に泊まる私たちはまたもや使用人用の細い階段を上ります。

三階の廊下。右側にお部屋、そして左側にポツンと白いドアが。
覗いてみると、なんと小さな教会でした。家の中に教会なんて・・・
中には本物の鎧や古い書物もあって、本当に何百年も受け継がれているんだと実感。

部屋はとても上品に改装されていてとても快適。

窓からはこの景色です。さっそく外にお散歩へ。

去年ボルドーで見てからずっと欲しかったミニロバくん。可愛すぎる・・・
他の馬たちもとても人なつっこくてかわいかった。

そしてディナー。ここもアペリティフはリビングで。
城主のムッシュにみんなで質問。マダムがムッシュのフランス語を英訳してくれて、
それを私が日本語へ。なんだか伝言ゲームみたいな会話でしたが楽しかった。
壁にかかった沢山の肖像画(白い巻き毛のズラの!)はもちろん全員ムッシュのご先祖。
ルイ14世の親戚にお嫁に行った人がいると言ってたな(多分)
ディナーはキャンドルの灯りだけでの素敵なコース料理。マダムが作るのですか?と聞くと、
はかない笑顔で”そうです。私がお客様をお迎えして、私が料理もするの・・・”
・・・ちょっと、ムッシュ、貴族すぎるのでは・・・

食後もしつこく貴族気分を味わおうとする庶民たち・・・


翌日の朝食も素敵にセットされていました。
最後のお支払いに行くと、学生と思われたのか、€20のおこずかいをくれたマダム。
ずっと外に立ってお見送りしてくれました。素敵なおもてなしをありがとう。

この旅最後の”美しい村”、Saint-Ceneri-le-Gereiへ。
なぜだか涙が出そうになった素朴な美しい眺め。

村のなかも石畳で素敵。ガイドブックで見た小さな教会を探して探索。

そして・・・みつけたのは息をのむような、時が止まったかの様な景色。

今までやっちゃった悪いこと、全部ごめんなさい、謝りたくなる清々しさ。
周辺は徒歩以外の立ち入りを禁止していて大切に保管されていました。
後ろ髪をひかれつつ、パリへ。
途中立ち寄ったブロカントのオーナーさんは偶然にも大のアジア好き。
私達を見ると、急にテンションが上がって凄い笑顔に。
モンゴルのテントの中でお茶を入れてくれて、お土産までくれました。
そしてやっと空港近くの最後の宿へ到着。
結婚式の披露宴パーティーをやっていてなんだかにぎやか。
中に入ってスキンヘッドのお兄さんに予約のことを言うと、すっかり忘れていたみたい。
さすが、パリ。掃除するから一時間後に戻ってきてと言われてなんとか泊まれることに。
明日の朝いないかもしれないと言うので(どーいうこと!?)、先にお支払いしますというと、
タンクトップに短パンだったのになぜかシャツに着替えてきた。田舎と都会の人の差は激しい・・・
朝は昨日の残り物とみられるパサパサのパンを食べ、カギを部屋において出発(やはり彼はいなかった)
無事に空港へ到着しました。

今回はシャンブルドットがほとんどお城だったのでちょっと優雅な旅行でした。
でもやっぱり田舎の小さな村が好きだな。
見ず知らずの私達を無防備であたたかく迎えてくれた人たち、そして無防備でいられる自分。
何百年も変わらない森、大きな木、満天の星、本当にありがとう。
もうすぐクリスマスですね。明るいイルミネーションも素敵だけど、
みんなが一度に灯りを消せば東京でも満天の星空が見えるのかな?
物にまみれた私達には減らすことで得るものが沢山ありそうだ・・・
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